ステンドグラスのお話し
 
(その1)

 

ステンドグラスのお話し 【 1 】 
ステンドグラスのお話し 【 2 】  ガラスの知識
 

  

 


ステンドグラスの起源は、明確には断定することは極めて難しいことですが、古くは古代ローマの時代には既に建物の窓に木枠を用いて、ステンドグラスの世界に人々は酔いしれていたのです。 
 
「断片としては最古」のステンドグラスのガラスは、9世紀にドイツで発見されています。10世紀のものと思われる「現存するステンドグラスとして最古」のものは、フランスで発見されています。

ステンドグラスは、ゴシック建築の発展とともに、ヨーロッパで13〜14世紀にかけて成熟していきます。15世紀にはルネサンス美術の影響をうけて発展していきますが、ガラス絵になる傾向がすすみ、衰退した時期もありました。しかし、19世紀になり、アーツ&クラフツ運動、アール・ヌーヴォー運動などの影響を受けたステンドグラスへと発展していきます。

また、アメリカで19世紀末にある人が発明した技法により、従来の平板だけのステンドグラスの世界から立体/曲面の世界が開かれ、より一層ステンドグラスが魅力のある物へと発展していくのです。 
 
その技法を発明した人の名は、ルイス・コンフォート・ティファニーというひとです。そう、かの宝石商として有名なティファニー家の2代目なのです。彼は家業を継がず、室内装飾家となり自分のあみだした技法によりガラス芸術家として輝かしい功績を残しているのです。
 
彼の作品の中でもオパールセントグラスで作られたランプシェードは、彼の繊細なデザインとハイクオリティーな仕上がりであまりにも有名です。
 
従来のステンドグラスパネルの技法としては、断面がH状の形をした鉛の桟の両側の溝に、ガラスを挟んで組み立てる方式で、「鉛線組み」または「ケイム組み」と呼びます。
 
窓にはめ込む、扉にはめ込むなど、平面パネルの製作に多用されております。  左の写真や古くからある教会などのステンドグラスパネルはこの「鉛線組み」手法で制作されています。
 

 
前述のルイス・コンフォート・ティファニーの技法とは、「コパーテープ フォイリング方式」と呼ばれています。「ティファニー方式」と呼ぶ人もいます。
 
ガラスとガラスは半田では繋ぐことができないので、まず銅箔のテープ(裏面が接着仕様)でガラス片の周りを包みます。包んだガラスをデザイン通りに並べ、ハンダで接着します。これを「コパーテープ フォイリング方式」略して「コパーテープ方式」と呼びます。
 
右の写真のようなランプシェードや小物等の立体的なステンドグラスの制作に最適です。ステンドグラスパネルでも細かいデザインの場合などは、「コパーテープ方式」で制作します。
 
現在ステンドグラスは、主に、「鉛線組み」、「コパーテープ方式」の2種類の技法により製作されております。
 
「ダルドヴェール」という分厚いガラスをエポキシ樹脂で結合させた新しいステンドグラス技法もあります。大型公共施設などの壁面に使用されています。

 
ステンドグラスは、ただ単に窓枠にはめ込むパネルやランプなど、居住空間を演出するだけにとどまりません。現代の作家さんたちは斬新な「かたち」のステンドグラスなども制作しています。また、さまざまな手法を使って色々な場所に合わせて制作することもできます。
 
ステンドグラスを「ヨーロッパなどの古い教会にあるもの」という一般的なイメージでとらえず、もっと身近なものとして、より多くの人々に楽しみ知ってもらいたいと思います。
 
 
  
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